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介護虐待の原因や種類は?防止するための心得

高齢化が進む日本では、高齢者が快適に幸せに暮らせるようにと介護サービスが充実していますが、一方で介護虐待が問題となっています。
年々増えていると言われる介護虐待ですが、どうしてそのようなことが起こっているのでしょうか。

増えている介護虐待

介護虐待は自宅や施設、病院などさまざまな場所で起きており、年々増加傾向にあると言われています。
家庭内や施設内で起きている介護虐待は、どうしても外部からは気がつきにくいため発見が遅れるケースも多いです。
厚生労働省による調査では、介護施設内で起こった介護虐待の事件件数は平成28年度に452件あったことが分かっています(前年度の平成27年度の408件に対して約11%増)。
介護施設にもさまざまな種類がありますが、平成28年度の虐待事例では特別養護老人ホームが452件中124件と最も多くなっています。
次いで有料老人ホーム、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、介護老人保健施設となっていて、さまざまな介護施設で介護虐待が起きているのが現実です。
大切な家族を守ってもらえるはずの介護施設で虐待があるのはショックですよね。

一方、介護虐待は家庭でも発生しています。
平成28年度は、養護者(家族や親族、同居人など高齢者のお世話をしている人)から虐待を受けたと思われる高齢者の数は16,384件と、施設での虐待とは比べられないほど多くなっています。
家庭内での虐待では、息子からの虐待が最も多く、次いで夫、娘、妻となっています。また、家庭での虐待のうち87.2%が、虐待を受けた高齢者と同居している人からの虐待です。
在宅介護で介護虐待が多く発生していることが浮き彫りになっています

介護虐待が起こる原因は?

高齢者を守るはずの介護施設や家庭内で介護虐待が起こっている原因は何なのでしょう。

 

【介護施設の場合】

●介護職員の教育や知識、技術不足

職員の教育や知識、技術不足も原因のひとつと考えられています。

入居者に対しての接し方や作業の仕方などが十分に教育されないまま、現場での仕事を任されている可能性があります。

 

●介護施設の人手不足

福祉や介護の現場では慢性的に人手が不足しており、そのためスタッフ一人ひとりの負担が大きくなっていると言われています。 劣悪な職場環境によりスタッフには大きなストレスや疲労が蓄積されています。 あってはいけないことですが、そのストレスのはけ口が入所している高齢者に向かっているのではないかと考えられています。

 

【家庭の場合】

・介護疲れやストレス
在宅介護では、お世話をしている家族の介護疲れやストレスが大きな原因と考えられます。
老老介護をしている家庭もあり、お世話をしている人が健康であるとも限りません。
何かしらの病気や障害を抱えた高齢者がお世話をしているケースもあり、それが家庭内での介護虐待につながっています。

 

・認知症の症状が強く意思疎通が難しい

認知症の症状が強く出ていると、意思疎通が上手くできません。そのことがストレスになり、虐待につながることもあります。

 

・経済的な問題や人間関係の問題を抱えている

家庭内の経済的な問題や、お世話をする家族と高齢者のそれまでの人間関係の問題があると、介護虐待の原因になる可能性があります。

 

介護虐待の種類について

介護虐待と聞けば身体的な虐待が想像されますが、そればかりではありません。
身体的な虐待をはじめとし、介護虐待には5種類あると言われています。

どのような種類があるのか知っておきましょう。

 

1、身体的虐待

高齢者に対して殴る蹴るなどの暴力的行為を行うこと。

本人が嫌がっていることを強制したり、言動や行動を制限したりすることも含まれます。

 

2、介護の放棄
「食事を与えない・食事を著しく減らす」「長時間放置する」「誰かに虐待されていても何もしない」といった行為も虐待です。
介護施設だけでなく在宅介護でも多く起こっています。

入浴や排泄のお世話をしてもらえず、不衛生な環境での生活を強いられる高齢者も。

 

3、心理的虐待

暴言や心を傷つける行為、拒絶するような態度をとることが心理的虐待にあたります。侮辱、脅迫などの言葉の暴力、無視などによって、高齢者の意欲や自立心を低下させてしまいます。

プライドを傷つけるような誹謗中傷などの心理的虐待も発生しています。

 

4、性的虐待

わいせつ行為や性行為の強要をする、またわいせつな行為をさせることが、性的虐待にあたります。

 

5、経済的虐待

本人の合意がないままに年金や預貯金を取り上げたり、不当に処分したりする。

また高齢者の財産で不当に利益を得ることが経済的虐待です。

不動産や有価証券などを勝手に売却したり、利益を得たりすることも該当します。

 

介護虐待を防止するためには

介護虐待を防止するための取り組みとして、平成17年に高齢者虐待防止法という法律ができています。
前述した5種類の介護虐待を定義すると同時に、虐待を受けた高齢者を発見した場合には該当の市区町村へ通報することが義務付けられています。
しかし介護虐待は年々増加しているため、虐待防止に向けた取り組みも強化されています。

介護虐待は、虐待をしている人が「虐待をしている」という認識があるとは限りません。高齢者を危険から守るために傷つけてしまうケースもあるでしょう。

また本人の認知症による被害妄想であるケースもあります。

被介護者を守るためには、介護虐待への理解を深めながら、身体にアザなどははないか、食事量が減っていないかなどのサインを注意深く見ておくことが大切です。

介護虐待が起こる背景には、要介護の高齢者を支える人達のストレスや疲れも見えてきます。
しかし決して起こってはいけないことなので、自分には関係ないと思わずに介護虐待に対する理解を深めていくことが大切です。

身の回りで「もしかして虐待かも…」と思うことがあれば、地域の包括支援センターなどに相談しましょう。

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